『百合の世界入門』

百合の世界入門 (玄光社MOOK)
『百合の世界入門』購入。インタビュー読んで後はぱら見程度だけど、けっこうよい感じの百合漫画ガイドブック

ここ5,6年(古くても10年くらい)のを中心に百合漫画が140点以上(表紙表記)、概ね あらすじと表紙絵&作中ページ画(1Pとかコマとか)をつけて紹介されている。表紙だけでなく中の絵があるってのは漫画ガイドとして非常によいものだと思う。近年の作品が中心で紹介された本の入手性もわりとよさそうだし。

「はじめに」で語られる百合の定義関係では広め/緩めの話をされているけれど、紹介されている作品はわりと狭め/コアなモノが中心になっている。世に出ているジャンル作品量を思うと絞り込む必要があるのだし、個人的に紹介されているラインナップはまずまずの納得感。(知らない作品もあるし。細かく見りゃアノ先生/作品入ってないなあ、とか、この先生ならアッチを紹介してくれたら、とか、諸々あるけれど、好みの問題、としとく)

インタビューは5人だけど一人一人の分量があるので読みがいあり。インタビューだけじゃなくて描き下ろしイラストのメイキング(作業自解)があるのもおもしろく。

分類が「ほのぼの&やさしい作品」「切ない&シリアス作品」「ギャグ&百合ラブコメディ作品」「ファンタジー&SF作品」「ハード&アダルト作品」と作品内容で大別されていて、並べられている作品をみると傾向が出ていて意外といい分類にも思える(自分で分類するのに使えるかというと難しいけれど)。
百合タグもなにげによく。やはり“男”関係はタグ付けしときたくなるものなんだよなあ、で。(よくよくみるとあまり精度はよくなさそうだった)

百合用語解説は量少ないと思ってしまった。とはいえ知らないスラングもあったけれど。ただ蔑称については敢て紹介しないほうがよかったのでは、と思う。


概ね満足な本だけれど、『百合の世界入門』というタイトルからすると、漫画だけじゃなくて小説/ラノベ・アニメ・映画等の他ジャンルへの言及とかジャンル史的なこととか、もう少し百合ジャンルを俯瞰するような記事もあってほしかった、というのはある。“百合漫画の世界入門”だったらまだ……(と思うも1つ前の雑記のタイトルで"漫画"という単語を敢て抜いた身としては納得できるっちゃできるか)

一迅社『百合作品ファイル』(2008)と比べると、『百合作品ファイル』は漫画以外の作品への言及や年表的なものもあってジャンル網羅的なところあるけれど各ジャンル別に見れば手薄感がなくもなく、作品ガイドとしては『百合の世界入門』のほうが紹介コンパクトで作中絵あって良さげで近年の漫画に集中しているぶん充実感があるかもしれない。 まあ2008年と2016年では出版数とかいろいろ事情違うのでアプローチ違って当然だろうけど。(紹介されている作品が大半かぶらないので補完(増補)関係のような面もあるかも)。


(※玄鉄絢先生がインタビューで百合という単語を知ったきっかけが『あおいちゃんパニック!』(竹本泉)で「百合ごっこ」という言葉が出てきた時と答えられていて、あわててkindleで購入(大昔持ってた)。が、ざざっと読んだ限りでは見つけられず...見逃したのか、元々の形態のコミックスのあとがきに書かれてるのか(電子書籍はMF文庫版がベース)...)

百合出版興亡史

(2016-10-15 百合缶、百合天国 について修正 / 2016-10-17 Loveゆり組、について修正)


題はちと大げさ...
概ね百合/GLの漫画雑誌&アンソロジーのメモ書きです。こっち作ってて年代順に書き出してみたくなった、と。

現在刊行が継続しているのは一迅社コミック百合姫』とオークス『Lガールズ』の系列くらい(たぶん)。
だけど、他にもいろいろ有ったわけで...以下。

1988,1989 白夜書房秘密の花園 LESBIAN COLLECTION』『同 2』

男性成人向けエロ・アンソロジー
エロアンソロジーの1テーマとしてレズビアンが選ばれた類かもだけど、2を出す程度には売れてたということなのかな?

1991 すたんだっぷ出版部『Girl Beans SPRING 1』

未読につきどういう百合具合かはわからないけど、この時代に非エロのアンソロジーが出てたというのが興味深い。
1号で終了。
同時期に『Boy Beans』という対になるBL誌も出ていてこちらは続いた模様。
こちら で関係者の方が

“girlの方はBoyの1/3も売れず次に続きませんでした”

と当時の苦戦を書かれている。
(今とかわらず... というか、まだこの時期はBL爆普及前だろうで3倍程度の差で済んでたのかも)

1991〜1992, 2002 一水社『Loveゆり組』

1991年12月創刊のエロ漫画雑誌。こちらによると1991〜1992年に3冊出ていたらしい。
さらに2002年に成人向けアンソロジーとして1冊でている(計4冊らしい)。
タイトルに“ゆり”という言葉がついているけれど“レズ”の別名としてのようで、百合ジャンル的なニュアンスで“ゆり”という言葉を使ったわけではなさそう。(が、2002年に出しているのはブームを感じてのことにも思える)

1994 ムービック『EG―女の子の秘密恋愛物語の本!!』

単発の百合アンソロジー

1995 三和出版『フリーネ[Phryné]』

百合じゃなくてレズビアン専門誌だけれど、漫画&小説が多くて百合アンソロジー的な面あり。
2号まで。(2号未見)
出版社変えて(テラ出版)、『ANISE』として継続(漫画&小説の率はぐっと下がる)。

1996〜1999 宙出版『Lady's comic美粋(ミスト)』

月刊誌で丁度 3年間続いた模様(未見)
レディコミ誌の性質として読み捨ての傾向がある故かもしれないが、連載作のコミックスは2冊しか出ていない。

2001,2005 司書房『レズスペシャル』『レズデラックス』

成人向け。テーマ別のエロ・アンソロジーのシリーズをいくつも出しているようで、これはテーマとしてレズを扱ったもの。(2冊以外にもあるのかは未調)

2003-2004 マガジン・マガジン百合姉妹

百合姉妹 Vol.5 (SUN MAGAZINE MOOK)
おそらく"百合"を標榜した初めての百合専門誌。
6号の予告を出しつつも、5号で終了。
出版社を変え、一迅社コミック百合姫』で再出発。
百合姫2015.3号で編集長の“りっちぃ”氏は

“(略)私は過去に「百合姉妹」を創刊し、5号で休刊させた。会社が求めるハードルをクリアできなかったためだ。そのハードルの是非はともかく、読者からの見え方として「売れなかったのかな」「百合はビジネスにならない」と思われてしまったとしても仕方ない。その責任は重い。二度とそのような状況は作らない。(略)”

と述懐されている。

2003,2004 大都社『百合天国』『同2』

百合天国 2―ガールズ系学園アンソロジー (DAITO BOOKS)
百合アンソロジー
2号まで。

1号編集後記に

(略)後年“百合元年”と呼ばれるのではないかと思えるくらいに、今年は“百合”がブームとなり、私どももその流れに乗り遅れないようにとちょっとがんばってみましたが、(略)

とある。

2004,2005 スタジオDNA『es〜エターナル・シスターズ〜』 一迅社『同 2』

es~エターナル・シスターズ 乙女と乙女の恋するコミックアンソロジー(2)
2号まで。
一迅社的には2号の直後に『コミック百合姫』を創刊している。
編集的につながってるのかどうかはわからないけれど、執筆陣は『百合姉妹』『百合姫』と被ってる方が何人かおられる。
 
 

2005〜(2016) 一迅社コミック百合姫

コミック百合姫2016年11月号
百合姉妹』後継の百合専門誌。
現在も続く、よくもわるくも老舗。11年くらい。
当初は季刊だが2011.1号より隔月刊化、また、2017.1号から月刊化予定。

当初の読者アンケートからは 男女比 3:7 くらいだったらしい。が、その後『コミック百合姫S』との統合等で男率上がってる模様。

隔月刊の少し前くらいからコミックスの量も増え(2010.7には百合姫コミックス12冊同時発売したり)存在感を増した。

長く続き掲載作のストックが十分になってきた証拠ともいえそうだけど、コミックスの初出をみると携帯連載もちらほらある模様。
携帯関係については、いつ頃からいつ頃までどれくらい配信していたのかはよくわからず。
webに関しては2013.2より『ニコニコ百合姫』が公開され隔月更新で続いている。

あと百合姫は新人漫画家の採用に積極的で世代交代がある。(ただ逆に新人が増えているが故に漫画としてはイマイチになりやすい面も……『つぼみ』や『ひらり、』あるいは『百合姫』自身の初期のように他誌で鍛えられてきたベテランが活躍していた紙面と比べると目減り感があるかもしれない)

2007〜2010 一迅社コミック百合姫S

コミック百合姫S (エス) 2010年 11月号 [雑誌]
14冊。
女性読者寄りだった本誌に対し、男性読者を考慮して創刊された模様。執筆陣も男性作家や少年誌系で活躍されてた女性作家の方とか。
本誌隔月刊のおり、本誌に統合された。
※「百合姫」と「百合姫S」の両方を買っていた方にとっては年間8冊から6冊に後退した状態だった模様。
※最近のを思うと本誌にSが吸収されたというよりSが本誌を乗っ取った、という気もしないでもない。

2007〜2014 一迅社百合姫Wildrose』 2011『Girls Love』 2015『キマシ!』

百合姫Wildrose Vol.8 (IDコミックス 百合姫コミックス)
Wildrose 8冊、Girls Love 2冊、キマシ! 1冊。
百合姫編集部によるH有りのアンソロジー
前2つは少女誌(Teens Love)系。Wildrose 6号のあと、『Girls Love』が2冊出て改名したように見えたが、その後 7,8と出た。
内容的には同じなので、端からみると、改名したが知名度的な浸透に失敗して元に戻したようにみえる。
(なんだかんだいっても"百合姫"ブランドのほうが通りがよいのかな、と)

『キマシ!』はWildroseより男性読者想定のようなデザインやラインナップ。Wildloseと別系統に見える。

2007,2010 一迅社百合姫Selection』 『百合姫Collection』

百合姫Collection v.1 (IDコミックス 百合姫コミックス)
Selection 3冊、Collection 1冊。
Selectionは百合姉妹百合姫からの再録と一部新作。
Collectionは百合姫掲載作家の同人誌等からの再録のよう。
Selection(1)は2007年だけど 後の三冊は2010年で隔月刊気合の一環のような趣きがある。続編の気配は無さそう。
 

2009〜2012 芳文社『つぼみ』

つぼみ VOL.21 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)
芳文社は「まんがタイムきらら」系列の女の子たちの日常系4コマが繁盛してるけれど、『つぼみ』のような百合専門誌も出してくれていた。
21号まで。4年弱。
3年以上続いてたのだからそんなに赤字だったわけでもないのではと思うけれど撤退決める程度には売れてなかったということなのか。

以前から百合を描かれてた執筆者だけでなく、ちょっとでも百合要素のある作品を描かれいた人に片っ端から声をかけられてたのでは、と思えるラインナップだった(きづきあきら+サトウナンキ、とか、カサハラテツロー、とか、鈴木有布子、とかetc etc)。
(ああ百合姉妹百合姫の初期ラインナップとかもそういう面あるかもだけど)
漫画家として脂の乗った中堅的な方が多そうで、読み応えのある漫画が多かった印象。

2009〜2010 ライスリバー『comicリリィ』『comicリリィplus』

ComicリリィPLUS v.2 (RICE RIVER COMICS)
comicリリィとして3冊、comicリリィplusとして2冊。
期間としては1年持たず。
ページ数とかラインナップとか「百合姫」や「つぼみ」にやや劣る感があったような気がする(個々の作品はそう悪くないのだけれど)
 
 

2009〜2010 コスミック出版『百合少女』

百合少女 3―百合コミック・アンソロジー (キュンコミックス)
3号まで。
期間は1年ほど。
こちらも個々の作品は悪くないのだけれど……
 
 
 

2009〜2014(?) ブックウォーカー|エンターブレイン『百合缶』

百合缶Petale
2009年より「百合缶」と言う冠で百合(短編)作品を携帯配信していた模様。
書籍としてはエンターブレインより配信作をまとめた(一部描き下ろし)アンソロジー3冊(2011年)と、コミックス2冊が出ている。書籍化以降も配信(or電子出版)は続いていたのか?、 kindleストアで検索すると電子書籍のみのアンソロジーや書籍未収録作が見つかる。
 


2010〜2014 新書館『ピュア百合アンソロジー ひらり、』『ほうかご! ひらり、別冊部活女子アンソロジー

ピュア百合アンソロジー ひらり、 vol.14
ひらり、14冊。ほうかご! 2冊。
期間は 4年くらい。
ウィングス」等女性に強い出版社だからなのか、『ひらり、』の作家陣はほとんど女性のようで少女漫画系百合になっていた。
『ほうかご!』のほうは男性作家陣も増えて男性読者考慮って感じ。
つぼみ同様、漫画家として脂の乗った中堅的な方が多そうで、読み応えのある漫画が多かった印象。
短くはない期間出ていたので酷すぎたわけじゃないんだろうけれど撤退する程度には売れてなかったということなんだろうか。

2011 光文社『女の子のナイショの話 乙女☆妄想族・編』

女の子のナイショの話 (kobunsha BLコミックシリーズ)
1冊。
編著のBLコミックシリーズの一環として女の子モノが出された感じだけれど、内容的には全て百合系で、他の百合誌執筆者多数の状態。
 
 
 

2011〜(2016) オークス『(色)百合』『彩百合』『L Ladies&Girls Love』『Lガールズ』

タイトルが途中で変わるのでわかりにくいけれど現在も継続する成人向けエロ百合アンソロジー。「OKS COMIX 百合シリーズ」の一環。
5年くらいの間に、『紅百合』『白百合』『桃百合』『青百合』『黄百合』『彩百合』(11冊)、『L Ladies&Girls Love』(11冊)、『Lガールズ』(2冊)が出て、現在 29冊ほど。
『(色)百合』は読み切りスタイルだけれど、『彩百合』からは連載ものも増え、書籍名変わっても継続して連載している状態。
同じオークスから出ていた非エロ百合アンソロジー『百合★恋』が打ち止めになったことを思うと、エロは強し、ってことなのね。
 

2012,2013 エンターブレイン『dolce』『dolce due』

百合アンソロジー dolce due (マジキューコミックス)
2冊。
エンターブレインだけど執筆陣的には「百合缶」とは別系統。
(他の百合誌で執筆されてた方も多い感じ)
 
 

2012 光文社『Sis―秘密の恋心―』

Sisー秘密の恋心ー―Kobunshaアンソロジー
1冊。
コラムとか わりと他の百合誌で描かれている人が参加してる。
(光文社「女の子のナイショの話」と繋りがある代物なのかは不明)
 
 

2012〜2013 オークス『百合★恋』

百合☆恋 vol.5 Girls Love Story (OKS)
5号まで。
期間は1年くらい。
オークス「OKS COMIX 百合シリーズ」の一環。
非エロの百合アンソロジー、だけど、最初から全部連載作で、5号時点では継続のつもりだったようで途中打切状態。
 
 

2014 芳文社『SAKURA (1)』

SAKURA (1) (まんがタイムKRコミックス)
1冊。
タイトルや表紙絵のように「桜Trick」のアニメ化に合わせて出た百合アンソロジー
(1)がついているけれど続刊無。
作家陣的に芳文社「つぼみ」とは別系統のよう(半数くらいはまんがタイムきらら系?)
 

2014〜2015 少年画報社『メバエ』

メバエ vol.5 (コミック(ヤングキングコミックス)(百合漫画アンソロ))
5冊。
“もよおす、百合マンガ”とあおられて、エロ作、非エロ作半々くらい混在の百合アンソロジー
5号出てからの期間を思うとたぶん終わったのだと思われる。

 

2014 宙出版 "百合コミックス"

モモイロデイズ (百合コミックス)
書籍ではなく、コミックスのレーベル。
なんだけれど、結局、同時発売だった2冊が出たのみ。
どちらも レディス誌『恋愛白書パステル』 掲載の作品(H有)で、レーベルとして用意したのだから、他にも発刊の計画があったのではと思うのだけれど何もなく。
モノは2つともよかったのだけど、やっぱ売れなかったのだろうか。

2014 幻冬舎『ユリボン』

百合アンソロジー ユリボン (バーズコミックス デラックス)
1冊。
コミックバーズで何度かあった百合特集からのセレクション。
(未収録の百合作品がある……次の可能性はないのかな)
 
 

2016.3.8 キルタイムコミュニケーションのブログ

“(略)皆さんに好んでいただいている百合作品、レビューしていただける方などもいらっしゃって本当にありがたい限り、なのですが…… 数字的には正直言うとちょっと苦戦…な具合です(他の文庫と比べた場合)。これまで色んなところで盛衰してきたこのジャンル、声の大きな方がいらっしゃって、一見流行っているように見えますがそこまで裾野が広がっているわけでもないことがわかってきております。(略)”

これは小説出版について書かれてるけれど…… うすうす感じていたことだけれど送り手側からこうはっきり言われると、やるせない。

2016.3 コミック百合姫2016.5号「いかにして『俺嫁』は打ち切られたのか!?」

俺の嫁なんていねぇ! (1) (IDコミックス/百合姫コミックス)
基本的にぶっちゃけてる百合男子だけど、打ち切り理由が

“1巻が売れませんでした”

と。世知辛え。これからでも1巻売れたら続けられるようなこと書かれているけれど...
※でも、これ、『百合男子6巻』として発売されていたら普通に続刊としての数は出てたのではないだろうか。改名前の『俺と百合 -百合男子第2章-』ままとか、せめて“百合男子”の文字を表紙に入れていたら結構違ったのでは、と。『コミック百合姫』本誌を読まないし作者買いもしないがシリーズ買いで百合男子を(惰性ででも)買っていた層を甘く見てたってことなのかも。てか、そういう層を誤差とできない程度に客層薄いってことなんだろうけれど。 あと判型小さくなって単価安くなった分、数量のハードル上がってるのかも。

2016.7 キルタイムコミュニケーション『百合妊娠』

書籍1冊。(先行して電子書籍で Vol.1, Vol.2 で出ていたのをまとめたモノ)
各作家、設定を工夫して百合で妊娠させるという試みのエロ・アンソロジー
続刊の予定があるらしい。
(エロは強い、というか、まだ何とかなる、ということなのかな)

2016.9.9 ヒバナブログ『アフターアワーズ』を盛り上げます!!!!!

アフターアワーズ 1 (ビッグコミックス)

“実は、続刊刊行の前に第1集をもっと広めなくてはならない、具体的にいうと、あと+5000部乗せなくてはならないという問題にぶつかったのです。”

こっちも世知辛い話。(この作に限らず世の中には続刊が出ない作品って山ほどあるけれど)
『アフターアワーズ』はガールズラブしてるおもしろい漫画なので、ぜひ続きが出て欲しい……(紙で持ってるけれど kindle版買い足すくらいは惜しくない作)
(※百合オタからするとガールズラブ(恋愛)を表立って押して無いのが歯がゆいところ。たしかにそれのみを据えた作品じゃないけれど、好みそうな客層とのマッチングがなされてないような気がする)

2016.11予定 KADOKAWA(「電撃大王」編集部)『エクレア』

新規アンソロジーが出るとのこと。
(待ち遠しい)


雑感

昔、『Comicリュウ』創刊の頃編集長さんが、3年は(アカでも)耐えて出し続ける、みたいなことを書かれていたように思う(うろ覚え)。雑誌って最初アカでも認知度上げてトータルで採算ラインに乗るように頑張ってるってことなんだろうけれど。

上記で1,2冊とか1年前後で終わってるアンソロジーが多いのは、なかなか採算に合わないってことなんだろう。
『つぼみ』『ひらり、』はわりと期間長かったけれど、客層育つのを待って耐えてた(耐えきれなくなった)ってことなのかもしれない。両出版社の主要客層に比べたらやっぱり百合読者層は薄そうだし。

※書いといてなんだけれど、死屍累々……は酷すぎるとしても、続かなったアンソロジーとか続刊出せないコミックスとかの話ばかり並べてると少しブルー入るわな


こうやって見返すと2009〜2013,4年くらいがプレーヤー多くて賑わいのピークだったのかな? で、今はメッキが剥がれた、みたいな。
って、言うのは後ろ向きすぎるか。

百合専門誌以外の白泉社『楽園』とか徳間書店COMICリュウ』とか(休刊したけど)双葉社コミックハイ!』とかの百合系コミック出してる雑誌や、なにより今の“百合ジャンル”的には大勢を誇っていると思われる芳文社まんがタイムきらら』系列とかの萌え4コマ関係は、事情よくわかってないので割愛してしまっているし。Web雑誌のほうも全然把握していないし(期間過ぎたら消える、ってものはなかなか記録として面倒)。そもそも漫画以外(アニメも小説も)無視してるわけだし。
そういうのも列挙できていればまた違った印象になったかも。(でも狭い意味でGL限定だとやっぱりこうなるかも)


ともあれ継続してる『百合姫』や『OKS COMIX 百合シリーズ』は ありがたいものです。新規参入もあるようだし。
百合姫』は次から月刊化なのだし。頻度上がれば変わりやすいだろう、で。

幻のレズビアン専門レディコミ誌

大昔、レディコミ誌(エロい方)にハマったことがある。

きっかけは、『ヤングアムール』創刊号の表紙。この絵でエロが読めるの!?と釘付けになった^^;。
描いたのは、小野塚カホリ、で掲載の漫画も綺麗でエロく。(小野塚カホリはこれがデビュー)
他にもこんな感じのは無いか、と、当初いろいろエロ系レディコミ誌を漁った。『ヤングアムール』自体は3号で終了したのだけど、結局2年前後某かのレディコミ誌を買ってたと思う。
ただ小野塚カホリ以外で絵で気に入ったのは東城麻美くらいで、大半の方が一昔二昔前の少女漫画系か劇画系の方で当時のこちらの好む現役少女漫画家系のエロはほぼなく… (もちろん後年になれば Teens Love系とかいろいろ増えるのだけど)
と、本筋外の思い出はこれくらいにして。


当初漁った中でレズビアン専門を表紙にうたったレディコミ誌があったと記憶してる。立ち読みで買わなかったけれど(いや買ったんだっけ? どちらにせよ、内容的なことは全く憶えてない)。

最近まで これは『美粋(ミスト)』を見たんだと思ってたのだけれど、小野塚カホリのヤングアムール掲載作を納めた 『Auto Aiming』 を見返してみると『ヤングアムール』が出ていたのは1994-1995年で、『美粋』は1996-1999年なので、時期が合わない。

己の読んだ時期の記憶違いか、でなければ、『美粋』以前にも別のレズビアンレディコミ誌があったのかも?
ただでさえ雑誌の類って情報残らないけれど、レディコミ誌は特に残ってない感じなので真実は闇の中。


と、マンガ図書館Z(R18)のほうで公開されている 江川広美『バージンショック』(『美粋』掲載作を集めた短編集)のあとがきを見ると
 “コレ…マジで全部「美粋」?「美粋」になる前「スクレ」だった頃の作品とか混ざってない?”

という記述があった。
「スクレ」ってのが「美粋」以前にあったのね!? いや雑誌の前身というだけでレズビアン専門かはわからないけれど。
しかし専門かはどうかはともかくレズビアンものを載っける雑誌があったということなので……

レズビアン専門レディコミ誌が『美粋』以前にあってもおかしくはないよなあ、と思えてくる次第。(見かけたんだし……)
まあすっきりした結論なんて出ないのですが(やっぱり闇の中)。

百合サイトを作ってる

ここんとこ、ちまちまと新たに個人百合サイトを作ってる。

http://lily.matrix.jp/yuri/


今のところ百合漫画一覧しか無いけれど... というかそれ以上するか不明。まあ資料サイトです。


わかる限りの百合専門(漫画)誌(百合姫、つぼみ、ひらり、OKS百合、めばえ、etc etc)の雑誌・アンソロジー一覧と、そのレーベルのコミックス一覧を列挙してみた。
雑誌・アンソロジーのほうはがんばって掲載作一覧(本の目次)も併記。
コミック百合姫、とくに隔月刊になってからの順不当な目次にはげっそりした気分になる(結局順適当で入力)。とくに文字列を円に配置した号は殺意を覚えた:)

自分が百合集めだした当初にあったらいいのに、と思ったモノを作ってみた、と。ええ自己満足。


もともと手持ちの百合系作品を MediaMaker で管理していて、これは結構よくできたシステムだと思ってる。無料のwebサービスだし。
だけれど、使ってるとよくが出て来るもので 検索表示条件で not が使えたら、とか 痒いところに手が届かない感じあり。
また基本的に書籍データが amazon 情報なので、amazon側の表記のゆらぎの影響を受けてしまう。巻数ごとのタイトル表記文字とか順とか、複数人著者の場合とか、ね。作者の読みでのソートとかも当然できないし。
ざっくりほどほどには表示できるけれど……部分部分乱れる…… と、ま、不満が溜まって つい手作業で一覧作ってしまったわけで。
(当初は すでに終了している『つぼみ』や『ひらり、』だけのつもりだったのだけれど、終了モノどんどん追加してたら結局『百合姫』まで手をつけてしまい)

手頃なデータベース的なCMSとかどこかにないものか、と思いつつ、とりあえず fswiki で 一覧テキスト作って貼り付けてるだけなので... 今後の更新とかが面倒くさそう、で、すでにメゲかけてます。

稚児懺悔酒呑童子

実は去年秋くらいから勝谷誠彦のメルマガを購読していたりするのだけれど、『彼の名はジベール』の発売当初に何か言及してないかと漁ってみたら案の定2月上旬頃に言及されていた(勝谷誠彦竹宮恵子の大ファン)。それに絡めて氏自身のデビューの経緯にも触れられていて、それは 『Allan』での BL短編小説の掲載だったらしい。
…… 『Allan』 への言及がこんなところにあったとわ(笑) (メルマガを読み飛ばしていたとも)
タイトルは「稚児懺悔酒呑童子」……なんとなく、見覚えがあるような。
漁ってみれば『Allan 3号』(1981.4)、確かに載っている。

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