別マ1969.11-1970.10

(8/15遅延書込). この日は東京に出たついでに国会図書館に行ってきました。

恋愛ものとしての百合漫画は片恋なら「シークレットラブ」(1970)あたりが、女性同士なら「白い部屋のふたり」(1971)あたりが古い作品の代表だと思いますが、恋愛でなく、現在の百合系サイトで紹介されるような友情系の百合作品とみなせるものならば、「シークレットラブ」以前にもいっぱいあったのではないか?、と思えていたのでちょっと探してみました。
といっても、古い作品としてはエス漫画の「さくら並木」(1957)がありますので、より古い百合漫画を探そうというような気はなく、どちらかといえば「シークレットラブ」や「白い部屋のふたり」がどういった状況の中で出てきたのかが気になって、といったところです。

実際に見たのは別マ1969.11〜1970.10(欠4)あたり。シークレットラブの直前一年のつもりだったのですが、うろ覚えで探したらデラマと別マを間違えてしまいました……。
時代的なハヤリでしょうか、それとも雑誌のカラーなのでしょうか、スポコンがやたら多かったです。

百合テイストのものは、やっぱりあるなあ…です。ただ、はっきりとした濃さをもつ作は少なかった感じ。男率低い漫画はままあるのですが、
  母娘モノ
だったりするのですね。男性のいる作品含め、今の感覚からすれば、母娘ネタが非常に多い感じです。これも雑誌のカラーなのか、時代のカラーなのかはわかりませんが。(描き手の世代・環境等も、ありえそうにも思えますし)
ただ、母親といっても、親らしさよりも、どちらかといえば友達的だったりお姉さん的な描かれ方に近いかもしれません。ものによっては、台詞の'母'を'姉'に全置換しても(絵を含め)全く違和感のなさそうな作品もありましたし。

とりあえず、百合といえるかどうかは別として近そうな(男率の低い)作品としては、田中雅子「ヤッポー、赤いいなずま」(1969-12)(千春と日本人に負けたくないアメリカ人のケートとのスキー対決)、田中雅子「にせのチャンピオン」(1970-1)(フェンシングで優勝したしおりは訪れた町で自分の偽物がいることを知り…)、木内千鶴子「花はあす開く」(1970-1)(両親にかまわれず寂しい思いをしていた美姫はスキーの練習で冬美とぶつかるがこのとき元選手の冬美の母にフォームをほめられ二人に興味を持つ)、鈴木房子「青空にGo!」(1970-3)(西城先生は不良の留美を更生させようと画策、留美が以前バレーボールをやっていたことを知り他の子とともに練習、また、一緒にゴーゴーに行ったり先生も不良だった身の上を話したりして徐々に打ち解けていく。そんな中不良以前の留美を知るバレーボール部の先輩が留美を部に誘い…)、四谷礼子「恋はノンストップ」(1970-10)(母親同士が恋のライバルだったことがあり、母親にハッパをかけられ恋人作りを競うドリィとリズの話。結局は親どうしのことなんか馬鹿らしく仲直り、最後は二人して声をかけた人物が実は女性というオチ)、等でしょうか。

ただ少女漫画としてはまだ70年代に(24年組等によって)起きる質の変化の前段階だろう時期で、まさにそういった感じの作品が大半でした。(ちゃんと掲載誌をみないとなんですが、2作品は百合ということを抜きにしても抜き出てるように感じました)