エビスさんとホテイさん

エビスさんとホテイさん (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

きづきあきら+サトウナンキ『エビスさんとホテイさん』。『つぼみ』で連載されていた作品です。


出来るOLのエビスさんに嫉妬していたホテイさんが、エビスさんの事情を知るにつけ惹かれていき彼女を助けるようになり、エビスさんもまたホテイさんに心許していく様子が、ホテイさん視点で物語られます。(以降ネタバレ)

いろいろといい場面が多いですが、特に最終回は酔ったエビスさんがホテイさんに本音を語る場面の流れもいいし、ホテイさんが汗(涙)流しながら懸命に取引を持ちかける場面もよく、なにより最後の公園での二人、「ムシしてくださいね」と意思表示したときの口元やそのあと(テレか不安か)ベンチを立つさまなどかわいく、またそれを聞いたホテイさんが時間差で赤面する様は心地良く、なのでした。

また、おまけや番外編も非常に楽しいものでした。
家の見取り図なんて資料のお蔵出し?みたいに最初は思ってしまいましたが、よくよく見るとその後の生活を垣間みれそうで興味深いです(バルコニーが繋がってるのなんて最高です)。
番外編は大きくなったハナちゃんと友達の会話。お父さんがいないけれどお母さんが3人いるというハナが友達にお母さんたちを紹介していきますが、ホテイさんを説明しようとして思い出すのが、ソファで顔を近接して楽しそうに話す二人がハナちゃんに気づいて自然に体を離す場面で、ちょっと考えてからマヨのともだち、と答える様はよくお母さんたちを分かっているなあ、と思えます。何より最後の一言は何気にすごく。遺伝というからにはやっぱり実のお母さんのことかなあ、と。いや、友達の反応はホテイさん的に見えるので叔母のことを指しているのかもしれませんが、会社でなく家での母(マヨ姉)とマヨの関係も似たような面がありそうにも思えるので…。とりあえずこの一言でマヨ姉の性指向を疑えてしまい……好きな女性を好く男性の種で子供を作る線も脳裏に浮かんでしまうのでした(この作者たちの「志乃ちゃんの、決心」がそういうネタを扱っているので余計に)。いえ判別不能だしどうとでもかまわないのですが。※ああ番外タイトルが「マヨちゃんとホテイちゃん」だからハナと友達の見立てられたのは叔母とそのともだちのほうが濃厚ぽいですね。

※しかしよくよく思えば自分のまわりの感覚で思うと、(同居している)妹な叔母はいくら歳がはなれていても"おねえちゃん"と教えこまれてるような……マヨやホテイがお母さんであろう、としている現れなんでしょうね