スケバン刑事

スケバン刑事〈第1巻〉 (1981年) (花とゆめcomics) スケバン刑事if (MFコミックス)

以前『スケバン刑事if』を読んで微妙に気になったままだったので今さらながら 和田慎二スケバン刑事』本編を読了。
スケバンの麻宮サキが母の刑期と引換に学生刑事として学校絡みの事件にあたる話で、読み始めるとやっぱり面白く一気に読めてしまいました。

連載期間は1976-1982年ですが、一度終了して1年後再開での2部構成になってます。最初のほう(第一部)は特にその時代らしいノリやフォーマットがある感じでしょうか。スケバンって題材自体がそうだし母娘モノとしてのウェイトが大きいですし。時代の切り替わり目を跨いだ感じもあり(和田作品全般に変わらぬ部分が多いとは思いますが)。
全般に百合要素はあまりないですが、ところどころ濃くて侮れず。スケバン同士・囚人同士・学生刑事同士の仲や サキをお姉さま的に憧れる子は当然として、サキに感謝のプレゼントするために体をウる子や、婚約者よりも好きといって死ぬ前にキスする親友なんぞもいて。麗巳は妹からレズ姉貴と呼ばれてたりとか緑子の麗巳に対する拘りとかもあり……抜き出すとなんだかそれなりにあるような気もしてきますが、百合要素目当てだけで読むときっと肩透かしでしょう。


で本編読了後改めて「if」を読むと…ダイレクトでトロケますねぇ。ニヤニヤしてしまいます。
かろうじて沼先生はいるけれど神も暗闇警視もおらず、学生刑事ですらないけれど、サキと麗巳に焦点当ててキャラが絞りこまれて余計にテイストが出ている感じ。直接の恋愛としては描かれていないけれど二人の仲・深い絆が描かれていて堪能できます(旅立つ麗華を引き止めるためにいう佑希の台詞はある種プロポーズのようで)。
あとがきに 2nd を念頭に描き始めたけれど「これはサキと麗巳の話だ。それ以外のモノではない」と気づきifにしたという経緯が書かれていて、きっと作者自身は百合(エス)作品を描くつもりでなくナチュラルに描いた結果なんでしょうかね。いえ本編での百合要素の具合を思えばもとよりそういうのも楽しんで描いておられるようにみえるので意識的かもしれませんが。(1話が書かれた1998年はまだ百合ブームが来てない頃なので流行どうこうは無関係でしょうね)


ということで、百合目当てで本編読むのはお薦めしませんがifを楽しむために本編読むのはありかも、です... まあ本編はおもしろい漫画目当てで読めばいいのですが。