allan 3号

以前の件の補完で『阿蘭(allan 3号)』(1981.4)を入手。百合の有無わからずの購入だったけれど若干でも記述があったのでとりあえず吉。

「新宿界隈ひょうきんレポート」という記事に「“薔薇族”と“百合族”」という小見出しがあって、そこに薔薇族編集人 伊藤文學氏へ電話インタビューした件が載っている。時期は薔薇族100号の少し前くらい。

薔薇族の発行部数は3万部で安定してたらしい。ただ“「読者は一定していませんね。毎月読んでくれるのは男性よりもむしろ女性や百合族(レズ)の方が多いですよ」”とのこと。男性(ゲイ)読者は2,3ヶ月もしたら読むだけじゃなくて行動に移すから、と。なるほど。

ここでは女性読者と百合族を分けて言及してるところがポイントですかね。薔薇族本誌の紙面では曖昧にしてるけど外に対しては百合族レズビアンで答えてたんだ、で。

内容的にはあと薔薇族百合族見合い計画で女性が集まらない件の紹介があったけれど、ライターの方の記述で“このごろ"薔薇族"といえば即ホモセクシャルのこととわかってしまうほど一般的になった”というのがあって、この時点で"薔薇族"という言葉がそれなりに普及してそうなことがわかったのはよかった。(ライターの方の立ち位置的に業界寄りのバイアスがかかってそうだけれど。ただ、そこそこの本屋で妖しい一画に10年置かれたらそれなりに覚えられていてもおかしくないようにも思うので、そんなものかも)

2号見てないので断定できないけれど この記事はallanに薔薇・百合という言葉が侵食するサキガケだったのかな、と。

ちなみにallan創刊号は45000部だったらしい。時代もあるだろうけど雑誌の指向性を思うと結構な数出してたのね。続刊の推移はわからないけれど、それなりに言葉を広める影響力のある部数な気もするのだけど どうだったんだろ。
(読者層としては10〜20代の耽美好き女性とか あと"OUT別冊だから買う"という層もいそう。米沢嘉博記念図書館に蔵書されているのはそういうことだろうし)