Dearest、百合族の部屋

Dearest!
昨日国会図書館に寄ってみた。土曜って17時閉館だったのね、昼半ばにいってあまり時間がなく後悔。
気になってた慎結『ぱぱと歩こう』の単行本未収録分をとりあえず読んでみた。(一話分申請ミスして読めず)。
とくに3話連載の「Dearest!」を読めたのは収穫。閑古鳥鳴く探偵のはるなは従妹(10歳)の由華の幽霊屋敷探索を無下に断るも故二喜会長の娘の依頼で屋敷の調査をすることになり……幽霊屋敷、というだけでニヤリです。でもって(ちとネタバレだけど)生身の男女カップルもでてきます。よもやこのシリーズでいるなんて思わなかった。大穴。出だしのバーカというハルナと一緒にいるA-3の愛らしい表情のコマがツボでした。ラストの二人の仲の良さもよく……読めたのはうれしいけれど手に入れてないのはちょっと悔しく(そもそも図書館に所蔵されてなさ気な別冊に入ってる入選作に比べればずっとマシだけど)

百合族の部屋
他に「百合族の部屋」めあてに『薔薇族』1976.11(46号)前後をパラ見(44-47,50-52号)。
図書館行く前に検索してこちらのサイトをみかけたので50号もめあてとして。
眺め見た範囲、前記サイトのいうように「百合族の部屋」はレズビアンの方を対象にした頁ではなくて、薔薇族を応援する女性読者投稿の頁で、女性投稿者が増えてきたからコーナー化したものらしい。時代の雰囲気や常識の差はあれど、今でいう腐女子(BL好き)系な方がちらほうら(というか主流?)。50号「女を愛さない男たちを女はどう見ているか?」は座談会で編集側男性3人と緑のカーネーション社同人5人(女性23〜27歳)ですが、女性側は腐女子系な方々のよう(編集側の発言からすると<美少年マガジン>なるものを作ってる?)。座談会の発言から伊藤文學自身は最初からレズビアンを念頭において百合族と命名したようだけど(たぶんレズビアン雑誌を出したそう)、間宮浩はレズビアンを扱う気はなくて薔薇族の支流・親衛隊としての女性ページ以上にはする気がないような発言をしていて、結構温度差があった模様。実際紙面は(見た範囲では)後者だったわけで、また、記事にできそうな女性読者からの投稿がない場合は「百合族の部屋」は休載したりしていて、『薔薇族』紙面内で レズビアン百合族 に変遷していけたのか微妙な気もしてきた。1983『セーラー服 百合族』以前のどこかのタイミングでそうなったのだろうとけど、映画が決定打だったのでしょうかね? もっと資料にあたればわかるのかもだけど、そこまで興味があるわけでもなく……
そんなことより、多数の腐女子な方々(といいきるのはまずいかもだけど)が『薔薇族』に投稿するというパワーのおかげで「百合族の部屋」ができたわけで、それがなければ「百合族」という言葉が紙面に出てきていない可能性も大いにありそうで、てことは“百合”という言葉は腐女子の賜物なんじゃね、と。「白い部屋のふたり」 のことを思えば一度ならず二度までも、という気も…なかなか楽しい関係のような。
それと、今の基準でみれば、腐女子からレズビアンへは999から地球へ以上にない道筋(というか断絶)なので、伊藤文學の当時の思惑はアテが外れても当然だよなあ、です。

というわけで、古いバックナンバー未読なんで判別できないけれど、読んだ(とくに座談会の)雰囲気からすると、1976.11号が「百合族」の初出ぽいなあ、です。万が一1976.11号以前に出ていたとしても読者に浸透していない状態だろうで、「バラのくさり」の百合の花はまったくの偶然だろう、でした(勇み足だったということで... これの確認が主目的だったのだけど思いの外腐女子的な部分に目がいってしまった)

※2016-01-25追記. さらに調べた結果はこっち